【ゼネコンはなぜ長時間労働になるのか】原因を分析してみた

こんにちは!ハマカナです。

ゼネコンの特に現場担当は、今日時間労働がつきものです。毎日の業務に追われ、工期があるから休日出勤もやむを得ない状況です。

そのような状況において、2019年4月1日からは働き方改革関連法が施行し、建設事業については、5年の猶予が与えられ、2024年4月1日から厳密な時間外労働の上限規制がスタートします。

国としても、建設事業は時間外労働が多く、【すぐに時間外労働を減らせ!】と規制しても、実際問題できないと分かっています。最近では、外堀を埋めるように建設業法の改正を国会に提出したりと、何とか時間外労働を減らすための施策を行っているところです。

建設業法の改正の詳細については、別記事の【ゼネコンも働き方改革?】工期について政府のメスが入るで記載しておりますので、宜しければご覧いただければと思います。

今回の記事は、なぜ長時間労働になるのか、実体験から原因の分析を行いました。ゼネコンで働いている方はご承知の通りかと思いますが、頭の中で分かっていてもアウトプット(文章化)したものをご覧になるのは、あまりないかと思いますので、復習のつもりでご覧いただけると幸いです。またもし新たな気付き等があればうれしく思います。

ゼネコンはなぜ長時間労働になるのか、原因を分析してみた

原因としては、下記の通り9つあると考えます。

  1. 労働環境
  2. 人員配置、人員の不足
  3. 長時間労働の暗黙の了解
  4. 会社内の連携不足
  5. 過去実績の慣例が抜けない
  6. 評価に直結
  7. マネジメント不足
  8. 大義名分の言い訳
  9. 会社としての危機意識の欠如

最近も、あるスーパーゼネコンで海外勤務の方が、長時間労働が原因で亡くなられたというニュースがございました。1ヵ月の時間外労働の時間は、187時間だったそうです。

このような残念なニュースが今後起きないようにも、まずは政府も介入した、建設業界の働き方改革が必要です。その改革の為にも、まずは原因が何なのかを分析しないと、解決には至らないと思い、今回の記事で原因の分析を行いました。

上で記載した原因の詳細な説明を下に記載しますので、もしご覧頂けるのであれば幸いです。

1.労働環境 

発注者と受注者(ゼネコン)が結ぶ、そもそもの受注条件に無理があることが多いです。特に工期が短いことや、受注金額が少なすぎることが顕著で、その為に長時間労働をせざるおえない状況になります。

2.人員配置、人員の不足

現場からよく上がる声ですが、単純に人員の不足が挙げられます。一人が管理をする範囲が広く、それだけで作業の絶対量が多く持っているということになります。

また人員の配置については、個人の能力に差異が大きく、いわゆる【できない人】が配属された現場は、非常に苦労する現状があります。

いわゆる一人現場(工事規模が大きくなく、基本的に1人のゼネコン建築担当社員で回している現場)や改修現場では、人員配置が少なく、交代要員もいない為、時短、代休の取得は難しい状況になっています。ただし、私も経験があるのですが、匿名で頂いた工事で、会社が工期を長く設定して発注者と契約した現場があったのですが(10年間で1度だけ)、その現場は一人現場であったのですが、1ヵ月の時間外労働も30~40時間程度で、4週8休を実現できていました。やはり工期の設定は大事だとその時思いました。

3.長時間労働の暗黙の了解

労働基準監督署も建設業界の長年の体質を知っており、査察には入らないとの暗黙の了解がありました。

ですが、昨今では、労働基準監督署も時間外労働の是正の為、ゼネコン現場にも査察が入ることが多々あります。査察が入ることによって、緊張感が増し、現場の責任者は、部下たちが決められた労働時間を守るように日々注意を払っている現状があります。

4.会社内の連携不足

会社内で自部署の立場を守るため、ボールの投げ合いが始まり、結局そのボールが現場に届くような形になっています。

そしてコンプライアンスやISO等の影響で、関係部署から現場に対し、【この書類を用意しろ、あの書類を用意しろ】との指示が横行し、それゆえ対応にかなりの時間を要しています。

断捨離ではないのですが、会社の上層部が本気になって、【いる、いらない】の判断をしてあげて、【いる】もので関係部署で作成できないかとの検討も必要かと思います。

5.過去実績の慣例が抜けない

今から20~30年前くらい、夜通しで現場に残り、現場に宿泊し、次の日を迎えることが、正直当たり前の時代がありました。そんな経験をした人たちが、今の管理職についている現状にあります。その昔のイメージから、【昔はもっと・・・】などという管理職もちらほら見かけます。これでは長時間労働は是正できません。

6.評価に直結

評価が得られる基準の多くは、工期を間に合わせる、利益を出すことが重要視されています。そのためには、長時間労働というものが鍵になってきます。働いたら働いた分だけ、その評価に直結するものは、自分に返ってきます。

また工期が間に合わなかった、利益が上げられなかった責任は、現場の上司たちが責任を取るはめになるので、部下に対しても、【長時間労働をするな】と強く言えない事に繋がっていると思います。

7.マネジメント不足

口では無駄を省け、効率を上げろと言いますが、具体的な指示を出さない、もしくは出せない事が多いです。上司が全体を把握し、何が優先的に実施すべき内容なのかを部下に示してあげる必要があります。

もしくはそれ以前に上司が忙しすぎて、部下の残業をコントロールしている暇がないという現状もあります。

8.大義名分の言い訳

【若いうちに様々に経験を重ねることで、成長をするものだ】との大義名分を掲げ、経験=残業と捉えてしまうことが多々あります。

【今まで長時間労働をしてきたのだから、家に帰っても居場所がない】との言い訳で会社に残ったりする人もいます。

9.会社としての危機意識の欠如

目先の現場が忙しくて、仮に時間外労働がオーバーした人がいたとしても、【なんとかなる】との意識で、特に抜本的な対策を実施しないまま、なあなあな状況になっていると感じています。

社員が長時間労働等でニュースに大きく取り上げられない限り、会社として事前に対策することはほとんどないかと思われます。

まとめ

かなり根深い原因があることはお分かりいただけたでしょうか。

正直、私がゼネコン社員で働いていた時、【どのようにして長時間労働をへらせるのだろう。いや減らせるはずがない】と思っていました。

ただ今後は政府も介入し、関連会社も含めて、建設業界を変えて頂けることを強く願っております。難しい挑戦かもしれませんが、ゼネコンにも長時間労働がなくなれば良いと願っております。

文字ばかりの長い記事でしたが、ここまでお読み頂き誠にありがとうございました。