こんにちは!ハマカナです。
現在働き方改革によって、【工事の工程に関して余裕を持つように国が誘導】をしています。ただ現状の所、現場に携わっている皆様は、毎日工程に追われて日々を過ごしているかと思います。
工事初期には全体工程表というものを作成し、工事完成(竣工)までの工程を思い描いたかと思いますが、【全体工程表の修正】などが頻繁に行われていませんか?現状のところ、工事初期に作成した全体工程表は絵に描いた餅になることが多くあります。なぜなら、発注者より与えられた工期自体が非常に厳しい工期であるからです。
そんな全体工程表の通りに工事を進めてしまうと、非常に困るのは設備工事となります。なぜなら設備工事とは、【建築工事が完了した後に施工を開始する】事がほとんどであり、その建築工事が遅れてしまうのであれば、必然的に設備工事も遅れてしまう訳なのです。更に、工期の終わりは決まっている訳ですから、単純に設備工事は、前からは建築工事の遅れが、後ろからは工期の終わりで板挟みになってしまうのです。


本当にゼネコン設備施工担当が、全体工程を作成する時に介入しないと、工事後期の設備工事は悲惨な目にあうことになります。これは本当です。最近は少なくなりましたが、設備工事の内容や重要さが分からない所長(現場の長)がいました。その人が全体工程を作成すると、建築メインで考えてしまい、建築工事を工期いっぱいに終わらせればいいや、と考えてしまいがちです。
そうなると、自分が苦労するだけでなく、サブコンさんも苦労します。一番苦しいのは実際にモノを創ってくれる職人さんに迷惑をかける事です。腕の良い職人さんも、時間がない中では、仕事の質も下がってしまいます。そうすると必然的に建物の価値が下がってしまうことになります。そうすると、発注者にも迷惑をかけることになります。
そのすべての人たちに迷惑をかけることについて、あなたはストップすることができます。全体工程表を作成する時には、設計図書を読み込み、精度の高い試運転調整工程を作成し、その内容を全体工程表に落とし込んでもらいましょう。所長から【なんでこんなに工程が必要なの?】と必ず聞かれますので、その根拠も用意しておきましょう。【設備工事の品質が悪くなると、建物の品質もぐっと悪くなります。この期間の工程が無いといくら建築が良い仕事をしても建物の品質は悪くなります。もし建物の品質が悪くなったら、工程を頂けなかった建築工事の方が原因となります。よろしいでしょうか。】くらいのことは言えるなら言っておきましょう。
以上が試運転調整工程の大事さを記載した内容となります。以下からは、実際に試運転調整工程を作成する際の、一般的な流れを記載します。試運転調整工程を作成する際のあなたのご参考になれば幸いと思います。
ゼネコン設備担当がおさえておくべき試運転調整工程 一般的な流れ
それでは下記に一般的な試運転調整工程の流れを記載します。前提として、建築関連工事が完了していて、なおかつ、自家用電気工作物(キュービクル)への受電が完了し、各種機器への送電が完了していることを想定しています。
一般的な試運転工程の流れ
電灯 コンセント通電 ※1 |
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照度測定 動作確認 ※2 |
⇒ |
電力メータ 系統確認 |
増し締め 確認 |
弱電システム 立上げ |
⇒ |
端末機器 性能検査 |
各種連動 性能確認 ※3 |
総合連動 試験 ※7 |
消防検査 |
自火報設備 立上げ |
⇒ |
各感知器 性能確認 |
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排煙FAN 試運転 |
⇒ |
風量測定 | |||
給排水 ポンプ試運転 ※4 |
通水 ※5,6 |
給排水ポンプ試運転 |
各器具 フラッシング |
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↳ ⇓ |
消火ポンプ 試運転 |
放水試験 |
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熱源 I/O確認 |
⇒ |
通水 ※5,6 |
熱源機器 試運転 |
温湿度 調整 |
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AHU・FAN 試運転 ※4 |
⇒ |
ダクト フラッシング ※8 |
風量調整 | ||
自動制御 I/O確認 |
⇒ |
自動機器 動作確認 |
⤴ | ||
PAC 冷媒充填 |
⇒ |
PAC 試運転 |
ドレンアップ 性能検査 |
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中央監視立上 I/O確認 |
⇒ | ⇒ | ⇒ | ⇒ | 対向試験 |
■特記事項
※1:各回路・電圧確認
※2:一般・非常照明の照度測定と動作確認
※3:扉・消火ポンプ・排煙・非常放送の連動確認
※4:軸・回転報告確認
※5:エア抜き
※6:各系統の通水確認
※7:停復電試験(2回ずつ程度)
※8:粗風量調整の実施も含む
まとめ
試運転調整工程を確保できないと、建物の品質を著しく下げることになります。そんな建物は誰も喜ぶことはできません。
必ず初期の段階で試運転調整期間を確保するような工程を立てて、全員が喜べるような、品質の良い建物を創るようにするべきと私は考えます。
以上ここまでお読み頂き誠にありがとうございました。