ゼネコン設備担当が時短を達成する為には

こんにちは!ハマカナです。

働き方改革が2019年4月1日からスタートしました。ただし建設業に関しては、5年の猶予を与え、その期間で残業時間を徐々に削減していく必要があります。

猶予が与えられていることより、やはり現状では時短を行い、残業時間を月45時間に抑えることは難しいかと思います。

青年A
そうだよ!やることが多いし、早く帰れ・有休を取れと言われても難しいよ。現場は、常に動いているわけだから、どうしたって現場都合で残業をせざる負えない状況になる!

 ハマカナ
現場都合になるってことは痛いほどわかるよ。ただ、無理と決めつけず、個人でも対策をしていかないと、5年なんてあっという間だよ。

このサイトでもゼネコンの働き方改革を取り上げて記事を掲載していますが、個人ではなく政府が介入して、建設業の働き方改革を達成する為の施策を徐々に打ち出しているところです。

働き方改革で一番効果があるのは、【週休2日制】かと思います。スマートなのは、土曜日を全休にして、土曜日日曜日の2日間を休みにすれば、働き方改革に大きく近づくと思います。仮に土曜日が休めないにしても、土曜日の振休でどこか平日1日を休めるようになれば、これまた働き方改革に大きく近づきます。

ただこれを実現するためには、発注者(経費が上がりや工期が長くなることへの了承)や作業員(日当制度により週休2日になると給料が減る)などの調整が必要になってきます。これは政府が介入してやるべきかと思います。

このように大枠としては政府が介入してやるべきことがありますが、個人としても努力する必要があります。単純な時短だけでは、自分として【成長をすることができず】、ゼネコン社員として見た目は大人、頭脳は子供になりかねません。

今回ご紹介する方法で時短を進めていけば、自分としても成長することができ、時短も達成できるのではないかと思います。

もしよろしければ続きをご覧いただければ幸いです。

ゼネコン設備担当が時短を達成する為には

それでは個人の努力として、時短を達成する為にはどうすればよいのでしょう。ポイントとしては下記の通り3つあるかと思います。

工事全体の流れを把握する
優先順位が一番高いものを決める
やらなくてよいことを決める

これらのことを実施すると時短ができるかと思います。ただし、これらの内容は個人で考えたら、上司やサブコンと共有する必要があります。同じベクトルで進んでいかないと、結局どこかで無駄が発生してしまい、時短とは程遠くなってしまうからです。

加えてこれらのことを実施するには、ある程度の経験が必要です。私は、4,5年の経験が必要かと思っています。しかもその4,5年は、残業を目一杯して一通りの経験を積んだ、非常に密な4,5年を指します。時短と相反することを言っていますが、私はそう思っています。最初のうちは苦労してでも仕事を覚えて、経験を重ねる必要があります。最初から時短をするなど、言語道断だと思っています。建設業の将来が廃れてもよいのであれば、最初から時短をすることも良いかと思いますが、経営陣も政府も建設業には発展してもらいたいと思っているでしょう。

以上のことを念頭に入れていただき、下記をご覧いただければと思います。先ほどご紹介した3つの内容について、詳細を記載しております。

工事全体の流れを把握する

現場に仮設事務所を設置してから、土工事等を初めて、土間、躯体、内装、設備、外構、検査、引き渡しの段取り、引き渡しまでの、建物を建ててから引き渡すまでの一連の流れを指します。

一人で全体工程表を作成できるかがポイントです。正直4,5年ではそこまでのレベルに達成するのは難しいので、最低でも人から少しのアドバイスをもらい、全体工程表を作成できることが必要です。

全体の流れがわかっていれば、業務の絶対量の平準化をすることができます。やはり現場の最盛期に関しては、終日現場の追廻しが必要になります。そうなると、事務所に戻って書類のチェックや作成などしていたら、いつまで残業するか分かったものではありません。現場の最盛期ではないときに、計画書などの書類を片付ける必要があります。

また書類だけでなく、工事に関しても、【工期の最後のほうには外構や内装工事、試運転調整などでばたばたしそうだから、設備の外構は工期の最初のほうに片付ける】ように計画すると、設備の最初のほうは特に忙しくないため、みごとに業務の絶対量の平準化をすることができます。

これらのことは、工事の全体の流れを把握していないと考えつかないことです。さらに、外構工事を初期に実施するとなると、施工図や配管の管径など決めることが多くあります。よって、上司やサブコンにも【この思いを共有】しないと決して達成することはできません。

このほかにも、全体を把握すると知恵が湧き出てくるものです。

どうですか。全体を把握することの大切さをご理解いただけたでしょうか。

優先順位が一番高いものを決める

全体を把握することができたら、優先順位が一番高いものを決めてあげましょう。どうやって決めてあげればよいかわかりますか。

例えばあなたが担当する建物の用途が工場だとしましょう。あなたはその工場を建設するときに何を基準に優先順位が高いものを決めますか。やり方はこうです。

その工場では何を作る工場だか理解しましょう。どのような人・機械の流れで製品が作られるか理解しましょう。そして、施主の悩みや要望を聞き出しましょう。これらを把握したうえで、ソリューションを捻出したものが優先順位が一番高いものです。

そのソリューションが例えば、製品の品質のばらつきを抑えるため、室内の温湿度が一定でなければならない、ということになったとしましょう。

そうすると考えるべきことはたくさんあります。

  • 空調機が1台壊れたとしても、バックアップできる空調機を設置する
  • 空調機が停電で動かなかったとき、発電機から電気を送電して、すぐにバックアップできる制御にする
  • 室内の断熱性を上げる
  • 夏の暑い時期でも、室内の温湿度が一定になるように、空調機の能力に余裕を持たせる
  • 余裕を持った制御範囲にするように、空調機の試運転調整を密に行う
  • 仮に室内の温湿度が一定範囲から外れてしまった場合、アラームを鳴らす、もしくは製品の生産を止めるなどの制御を組む

これらの考えつくことを達成することが、必然的に優先順位の一番高いことを達成することにつながります。例えば、室内の断熱性を上げるために、断熱材の選定をして、工事段階ではきちんと施工されているか全数確認することを、計画として織り込むわけです。そしてその計画を順々にこなしていけば、一番高い優先順位のものを達成することができます。

優先順位が高いものについては、ほかにも漏水がないだとかがありますが、一番優先順位が高いものを抑えてしまえば、パレートの法則でいう8割は抑えていると考えても良いかと思います。そこを最低限抑えるようにしていけば、時短になるかと思っています。

やらなくてよいことを決める

ゼネコン設備担当は、非常にやることが多いです。電気、衛生、空調、消火、エレベータ、建築取合、などすべて80点以上を目指すとなると、おそらく残業は減らず、増えていく一方かと思います。

先ほども紹介しましたが、少しブレイクダウンしすべての工事において、優先順位が一番高いものを抑えましょう。それ以外は、やらない(直接管理しない。サブコンに任せる。)と決めてしまっても良いかと思っています。

時短をするには、何をやらなかったかを誇りに思うべきかと思います。(スティーブ・ジョブズより引用)

何をやらなかったと決心することは、全体を見れている証拠だと思っています。

全体を見て、何をやらないと決めることは、さぼりではなく、優秀な選択かと思います。それにより時短につながるのは、非常にクレバーなことかと思います。

まとめ

時短は難しいと決めつけることは、そこで考えることを諦めてしまうことになるので、まずは今回の記事を参考に自分なりにでも、方策を考えてみて頂けると幸いです。

いずれは働き方改革の対象となり、嫌でも早く帰らなくてはいけない状況になるため、その時焦るのではなく、徐々に準備をして悠然とした表情でいるほうがかっこいいと思います。

ここまでお読み頂き誠にありがとうございました。この記事の他にもゼネコンや設備担当、ゴルフ等に関する記事もありますので、併せてお読み頂けると幸いです。