【ゼネコン設備担当者必見】インサート工事の重要な7つのポイントとは

こんにちは!ハマカナです。

ゼネコン設備担当であれば、インサート取付工事は若手のうちから携わる工事であり、比較的若手が担当する工事もあります。

インサート取付工事の役割は下記の通りとなっております。

インサート取付工事の役割
○配管やダクト等の吊り元を確保するために、躯体に吊り用ボルト等が取り付けられる経済的な【受け】を埋め込む作業である。

躯体とは、主にコンクリートを指します。躯体にインサートを取り付けるということは、先ほどもインサート取付工事の役割で記載した通り、配管やダクト等のルートが決まっていないとインサートの取付をすることができません。よって、配管やダクト等がどこを通るか図面(施工図)を作成しておく必要があります。

ただし、施工図を躯体工事前に作成し終えることは、至難の業です。

おそらく一般的には、たたきの施工図を作成し、それに従ってインサートを取り付けます。その後、配管やダクト等のルートが変更した場合は、後打ちインサートで対応することが常かと思います。役割で記載しました【経済的】とは、後打ちインサートのコストと比べて、躯体打ち込みインサートのほうが、数十倍もコストが違うため、経済的と表現しました。

今回の記事では、実際にインサートを取り付けるときの重要なポイントについて、私の実体験から記載させていただければと思います。よろしければご覧いただけると幸いです。

インサート取付工事の重要な7つのポイント

これよりインサート取付工事の際の重要なポイントについて記載させていただきます。まずはインサートとは何?と思っている方のために、公共建築工事標準仕様書の標準図から抜粋した図面を添付します。

公共建築設備工事標準図(機械設備工事編)より引用

冒頭に役割でも記載しましたが、配管やダクト等を吊るための【受け】を仕込んでいることがお分かりいただけるかと思います。

また重要なポイントを記載するにあたり、大前提として、設備業者から反感はあるかと思いますが、インサートについては、鉄筋工や型枠工、コンクリート打設関連業者からすると、非常に邪魔なものです。それを前提に謙虚な気持ちで取付工事をするとよいと思います。

よって少し悔しいかもしれませんが、謙虚な気持ちで臨みましょう。

それでは重要なポイントについて記載いたします。

重要な7つのポイント

インサート取付工事の重要なポイントとして、大きく7つあります。

重要なポイント

建築・電気・衛生・空調・消火等で色分けを決めておく。
型枠の種類に合わせてインサートを選ぶ。
施工図でインサート打設位置を決める。
配筋前か後に打つか鉄筋業者と調整をする。
インサート間隔の最低値は確認しておく。
鋼板製型枠にインサートを打つ場合、後始末はしっかりと行う。
手が届くところのインサートの釘部分は、早めに叩き落す。

それでは順番に説明させていただければと思います。

建築・電気・衛生・空調・消火等で色分けを決めておく

インサートの色分けは早めに決めておきましょう。なぜなら発注ものですから、いざインサート取付工事を実施するときにインサートが手元になかったら、工事することすらできません。また色分けをすることは、後々配管やダクト等を吊るときに、だれのインサートなのか一目瞭然になるので、施工のスピーディー化にもつながります。

実際サブコンは自分たちの施工のしやすさのために設備業者同士で色分けの調整はします。これは特にゼネコンが指示をしなくてもやります。

ですが建築のことまで考えるサブコンは稀ですので、ゼネコン設備施工担当は、建築施工担当と調整をして、建築(主に天井用)のインサートの色も決めましょう。

一般的には、建築:白、電気:黄、衛生:青、空調:緑、消火:赤で決めることが多いです。ただ、絶対にこの色!という決まりはないので、現場内で分かりやすいものを使用するのが良いかと思います。

型枠の種類に合わせてインサートを選ぶ

型枠の種類とは、大きくは木製在来型枠か鋼板製型枠(デッキ)となります。気にするポイントとしては以下の通りとなります。

型枠の種類 気にするポイント 備考

木製在来型枠

or

鋼板製型枠

取付面は平面か斜面か 平面は一般的なので、特に注意することはないです。斜面の場合、斜面用のインサートがありますので、施工図でも【斜面用インサート】と記載しておくとよいです。
断熱材有りか無しか 断熱材有りの場合、断熱材の厚さも確認する必要があります。意匠図に記載されていますが、不明であれば建築担当か図面屋さんに確認するとよいです。そしてその厚さにあった、インサートを用意する必要があります。
吊る重量はどれくらいか インサートにも耐荷重があります。実際にそのインサートを使用して吊る対象の重さも考慮し、インサート種類の選定を行う必要があります。
インサート下部は多湿箇所か インサート下部が多湿箇所であれば、通常のスチール製は使用できません。錆びてしまいます。そんなときは、樹脂製かステンレス、溶融亜鉛メッキ製を使用するとよいです。

珍しいところで、型枠の代わりに木毛セメント板を使用することもあります。おそらく木毛セメント板を使用する場合、下記がピットであることが多いので、ステンレスもしくは溶融亜鉛メッキ製のインサートで、吊り重量や厚さを考慮したインサートを選定するようにしましょう。

施工図でインサート打設位置を決める

正直、インサート打設時点で、各種施工図が出来上がっていることは稀です。ですが、たたきでも図面がないと、インサートは打てません。

さらに建築の天井用のインサートについても、設備の施工図があって、その施工図に記載されているダクトや配管をよけた位置で、建築のインサートを打つため、建築のためにも設備の施工図は必要となります。

また施工図を基にインサート打設位置を決めるときは、きちんと通り芯からの追い寸法を記載することが常識です。

正直、初期段階に正確な位置を決めることは難しいので、応用ができるインサート位置を決めてあげるのが、サブコン担当者の腕の見せ所です。

ゼネコン設備担当はインサートの位置までチェックすることはないのですが、インサート位置同士が近すぎると、躯体のコーン上破壊が起きてしまうため、その点はチェックしてあげるとよいです。コーン状破壊についての詳細については、のちに記載します。

配筋前か後に打つか鉄筋業者と調整をする

インサートの取付のタイミングとしては、作業のしやすい配筋前を選ぶのがほとんどです。ほど10割の確率で配筋前に実施します。(配筋後だとインサート打設の作業ができないから)

ただし、配筋前にインサートがあることは、鉄筋業者にとって、邪魔なものになります。いちいち足元を気にして配筋をすることは少ないので、蹴っ飛ばされたりして、取り付けたインサートがなくなることもあります。

従って、配筋前に取り付けたインサートが、配筋後もきちんと取り付いているか確認する必要があります。なので、配筋後すぐにコンクリート打設という工程は悲惨なので、必ず1日以上はコンクリート打設前に、設備打設前確認の工程を取ってもらうようにしてください。

インサート間隔の最低値は確認しておく

インサートの打込深さから45°のラインを引いた部分が、同様にほかのインサートのラインと干渉している場合、コーン状破壊を起こす可能性があります。わかりにくいかと思いますので、図を作成しましたので、下記をご覧ください。

コーン状破壊が起こると、コンクリートが剥がれ落ち、最悪の場合、インサートも剥がれ落ちてしまうことがあります。実際問題としては、一か所のインサートが落ちてしまったとしても、配管やダクトが落ちてしまうわけではないので、大きな問題にはならないのですが、もし直天において、コーン状破壊が起きて、コンクリートが人に当たってしまったら大問題です。

従って、施工図において極端に近いインサートは45°のラインで干渉していないか確認し、干渉していれば、図面を修正するように指示するとよいです。

鋼板製型枠にインサートを打つ場合、後始末はしっかりと行う

鋼板製型枠にインサートを打つ場合は、型枠にドリル等で穴をあける必要があります。穴をあけて取付けるまでは良いのですが、ほとんどの人が実施しないのは下部の清掃です。

自分で出したごみは、自分で片付けないと、現場内は汚くなる一方です。【汚いから何?】と思う人もいるかと思いますが、現場がきれいだと、管理ができていると捉えれれ、事故等も少なくなる傾向にあります。

【設備屋~(怒)】と言われないためにも、後始末はしっかりと行いましょう。

手が届くところのインサートの釘部分は、早めに叩き落す

タイミングが非常に重要なのですが、インサートを設置し、コンクリート打設が完了し、型枠を脱型した後すぐに、手が届く範囲のインサートの釘部分は叩き落しましょう。鋼板製型枠の場合は脱型がないので、コンクリート打設が完了した後がベストなタイミングです。

手が届くということは、だれかが触れるということでもあるので、自分が加害者になってしまう可能性があります。今まで事例としてないと思いますが、そのインサートの釘で誰かを傷つけてしまった場合、法的な責任が発生します。

そのような事を起こさないためにも、適切なタイミングで、インサートの釘部分を叩き落し、必要に応じ錆止めをしておきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。インサート取付工事とは、工事全体の中で言ったら、それほど重要でない部分に思えるかもしれませんが、重要なポイントが7つもございます。

その内容は、品質・コスト・安全に関わることであり、また現場を円滑に進めていくための重要なポイントであります。

難しいことは特になく、【どれだけ気が利くか】という視点で見れば、単純なことかもしれませんので、若手のうちからこれらのポイントを押さえれば、優秀な社員として見られることでしょう。

ここまでお読み頂き誠にありがとうございました。この記事の他にもゼネコンや設備担当、ゴルフ等に関する記事もありますので、併せてお読み頂けると幸いです。

インサート工事と同時期に施工する【スリーブ工事】についてご紹介した記事もございますので、併せてお読みいただけると幸いです。

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