【経験から記載するVE案】ゼネコン衛生設備工事編①

こんにちは!ハマカナです。

VEとは、Value Engineeringの略称です。

VEを実施することによって、機能を劣化させることなく、コストを下げることができ、ゼネコンが利益を上げるためにも、必須の取り組み内容となります。

従って、ゼネコン担当であれば、必ずどの現場でも、VEの実施は不可欠となります。ただし、自分でVEを考え出すには、相当の経験と知識が必要となります。

経験と知識がない人にとって、【VE案を考えろ!】と言われると、まず自分の力で考えだすのは不可能に近いです。ただしゼネコン設備担当者であれば、身近な人の力を借りれば、容易にVE案を作成することが可能です。

それはサブコンの方々です。

サブコンの力を借りてしまえば一番手っ取り早くVE案を作成することでき、それなりのVEを実施できるかと思います。

ただし、毎回サブコンの力を借りていては、サブコンの能力によってVE案のクオリティにばらつきが出てしまい、いわば運頼りになってしまうことになります。

そして一番の弊害は、自分の成長が止まってしまうことです。

今回の記事では、自分でVE案を考え出せるようになるヒントとなる、ある現場でのVE案を掲載します。

この記事を参考にして、自分でVE案を考え出すようにする経験をすれば、きっとその経験はあなたの成長につながると思います。

また経験や知識がある方も、復習がてらご確認頂けると、もしかすると新たな発見があるかもしれません。よろしければご覧いただけると幸いです。

ここまでのポイント
○VEの実施によりゼネコンが利益を上げれる。
○ゼネコン担当であれば必ずどの現場でもVEの実施は不可欠。
○今回の記事はVE案のヒントを記載する。

【経験から記載するVE案】ゼネコン衛生設備工事編①

これより【経験から記載するVE案】ゼネコン衛生設備工事編について記載させていただきます。

今回の記事では、主に配管種の変更に関して特化した内容に致します。

ちなみにVEという言葉は、世界大百科事典第2版に下記のように定義されています。

価値分析は、最低の総コストで必要な機能を確実に達成するため、製品とかサービスの機能分析に注ぐ組織的な努力であると定義されている。価値分析はVA(value analysis)ともVE(value engineering)とも略称されるが今日では後者を用いることが多い。顧客は価値ある製品やサービスを求めている。VEでいう価値とは、製品とかサービスを利用する顧客側が判断するものであり、したがって企業側としては顧客の立場にたって価値改善をはかるよう努力することになる。

世界大百科事典 第2版より引用

要するに、VEの価値は、【顧客側が判断】するものなので、ゼネコン担当であればVE案を検討したら、基本的には建物を使用する発注者の確認が必要となります。

とはいえ発注者が毎回そのVEを判断することは少なく、監理者や設計者が判断することが多くなっております。

ただ、建物の使用勝手が変わるようなVE案は、発注者に確認することが必須なので、ケースバイケースで判断者が変わると認識しておいても良いかと思います。

判断者はケースバイケースかもしれませんが、VE案が採用されることによって、コストが減りますので、そのVE案が採用されたかは発注者に報告する必要があります。

よって、VE案を考えついただけでは足りず、根拠などを用意しきちんと説得できて初めて、VE案が活かされる為、説明する力も必要となります。

そのことを念頭に入れて頂き、下記のVE案についてご確認頂ければ幸いです。

衛生設備VE案 配管種の変更

下記に衛生設備のVE案について記載いたします。

衛生設備VE案

配管種の変更:VA,VD→高性能ポリエチレン管
配管種の変更:VP+保温→ACドレン
配管種の変更:SGP→SUS(薄肉)

ちなみに少し特殊かもしれませんが、建築業界で言うVEの中には、【過剰スペックで設計したものを、適切なスペックに変更した】ことも含まれます。(人によってはCDというかもしれませんが一般的に。)

そのことを念頭に入れ、上記の詳細な説明を記載している下記をご覧頂ければと幸いです。

配管種の変更:VA,VD→高性能ポリエチレン管

主に【給水管】についてのVEとなります。

給水管は、一般的に屋内ではVLP-VA、地中ではVLP-VDを使用します。

もし一般的に使用される配管種についてご理解を深めたい場合は、以下の記事でご紹介をしておりますので、ぜひご活用ください。

併せて読みたい

■【ゼネコン設備担当者必見】頻繁に使用する配管種とは?
一般的に使用する、各種系統の配管の配管種について記載しています。最近のトレンドもまとめたものとなりますので、ぜひおすすめ!
幅広い知識取得のためチェック!

最近では、特に要求をしなくても埋設配管については高性能ポリエチレン管を使用されるケースが多くなりました。

ただ屋内でVAを使用せずに高性能ポリエチレン管を使用することは、まだまだ浸透しておりません。

ただ高性能ポリエチレン管を使用するメリットは状況に応じて大いにございます。その状況とは以下の時です。

  1. 計算上保温が不要になる場合
  2. 曲げが少ない場合
  3. 150A以上の配管サイズである場合

もちろんVEですから、機能はVAと同等以上であります。その中で、VAから高性能ポリエチレン管に変えた場合、機能は同等以上あることに対し、コストが下がるかどうかは、上記の3つがポイントとなります。

1つ目の計算上保温が不要になる場合については、コストに大きく影響を与えます。私が名古屋で高性能ポリエチレン管を使用したとき、メーカー(SEKISUI)さんと検証をして、保温が不要との根拠を出せました。

その結果保温レスを実現することができ、比較的小さい建物(1000m2程度)でしたが、何十万ものVEができました。この建物規模の衛生工事の配管種変更でこれだけの効果があることは驚きました。

2つ目の曲げが少ない場合については、単純に高性能ポリエチレン管の分岐部やジョイント部の部材コストが高いので、曲げが少ない方がコスト的に大いにメリットがあります。

そして3つ目の150A以上の配管サイズである場合については、あまりコストには反映されずらいところになりますが、施工性が向上することによって、職人さんの工数が減ることによるコストメリットがあるという事です。

なんといってもVAに比べて、約1/6の重量ですから、天井裏に揚重する場合も、チェーンブロック等は使用せずに、高所作業車等で楽々上げることができます。(高所作業車を揚重機として使用する事が良いかどうかの問題は置いておいて)

従って、これらの3つのポイントがクリアできれば、VA→高性能ポリエチレン管の変更は大いにメリットがあると言えます。【実体験済み】

ただし、3つのポイントの中でも、1つでも当てはまれば、コストメリットがあり、十分VEになる可能性もありますので、その点は建物ごとに検討する必要があります

ここまでのポイント
〇埋設配管で高性能ポリエチレン管が使用されることは一般的になりつつある。
〇屋内で高性能ポリエチレン管を使用する場合3つのポイントを抑える必要がある。
〇3つのポイントのうち1つでも当てはまれば十分VEになる可能性あり。

配管種の変更:VP+保温→ACドレン

主に【空調ドレン配管】についてのVEとなります。

なんといってもコストダウンとなる特徴は、【保温工事工程が不要】になることです。

下記はSEKISUIのACドレンのカタログからの引用となります。

SEKISUIのHPより引用

要は、配管と保温材が一体となっています、という事です。

従って、保温工事工程が省略できるという事で、十分VEになります。【実体験済み】

ただし、【結露の計算は確実に実施してください!】保温付きだから結露は問題ないと、安易に考えていると、結露します。

実体験ですが、梅雨時期から夏期にかけて、天井裏が高温多湿状態になると、容易に結露します。

ここまでのポイント
〇スリーブサイズ一覧表は、通すものによってどのスリーブサイズにすればよいかわかりやすくした表。
〇保温が必要なものは、保温厚さも加味したスリーブサイズにする必要がある。
〇フランジ接合が必要なものは、フランジの大きさも加味したスリーブサイズにする必要がある。

配管種の変更:SGP→SUS(薄肉)

主に【消火配管】についてのVEとなります。

平成18年10月1日に消防法施行規則が改正され、【屋内消火栓】と【連結送水管】の系統の配管には、SUS配管が使用できることになりました。

以下は上記に該当する、消防法施行規則からの抜粋です。条文内に記載のある、日本産業規格G三四四八とは、一般配管用ステンレス鋼鋼管のことを指します。

屋内消火栓について

第十二条 屋内消火栓設備(令第十一条第三項第二号イ又はロに掲げる技術上の基準に従い設置するものを除く。以下この項において同じ。)の設置及び維持に関する技術上の基準の細目は以下の通りとする。

六 配管は、次のイからリまでにさだめるところによること。

二 配管には、次の(イ)または(ロ)に掲げるものを使用すること。

(イ)日本産業規格G三四四二、G三四四八、G三四五二、G三四五四若しくはG三四五九に適合する管又はこれらと同等以上の強度、耐食性及び耐熱性を有する金属製の管

連結送水管について

第三十一条 連結送水管の設置及び維持に関する技術上の基準の細目は、次のとおりとする。

五 配管は、次のイからチまでに定めるところによること

ロ 日本産業規格G三四四二、G三四四八、G三四五二、G三四五四若しくはG三四五九に適合する管又はこれらと同等以上の強度、耐食性及び耐熱性を有する管を使用する事。

消防法施行規則より引用

この条文通りにいけば、屋内消火栓と連結送水管の配管は、SGPではなくSUSを使用する事ができます。

SUSを使用するメリットは、SGPより【配管径を小さくできる】ことにあります。

もちろんSUSの方が軽いので、施工性も上がりますが、コストメリットという意味では、配管径が小さくなることの方が大きいです。

従って、配管径が小さくなることでコストメリットが生じて十分VEになります。【実体験済み】

ただし、消防同意時点で設計図にこれらの配管がSGPと記載されている場合、施工フェーズでSGPからSUSに変更する時は、消防の了承が必要です。

上記の消防法施行規則の条令を見せて、実際使用する配管や継ぎ手のカタログなどを見せれば、基本的には了承をもらえますが、厳しいところでは、難色を示す消防署もありますのでご注意ください。

ここまでのポイント
〇平成18年10月1日に消防法施行規則が改正され、【屋内消火栓】と【連結送水管】の系統の配管には、SUS配管が使用できることになった。
〇SUS配管を使用する事によって【配管径】を小さくできる可能性あり。
〇消防同意時点でSGPだった場合、SUS配管に変更するには消防の了承が必要。

まとめ

いかがでしたでしょうか。VE案は、現場特有のものもあれば、どの現場でも使用できるものもあります。

今回記載したVE案は、比較的どの現場でも使用できるものとなりますので、ぜひご参考にして頂ければ幸いです。

上記で紹介したVE案を抑えて頂き、あなたの経験の中で、さらなるVE案を考え出すようにすると、さらにゼネコン設備担当として成長をしていけるのではないかと思います。

ここまでお読み頂き誠にありがとうございました。この記事の他にもゼネコンや設備担当、ゴルフ等に関する記事もありますので、併せてお読み頂けると幸いです。