【問題解決方法は!?】ゼネコンであれば知っておきたい問題解決の型

こんにちは!ハマカナです。

問題解決について、皆様はどのようにお考えですか?

その時のヒラメキや、経験・知識が必要かと思っていませんか。

実は必要ありません。

問題解決にも型があるのです。

空手にも型はありますね。ゴルフにも型があります。

そのような感覚で問題解決にも型があります。

今回は、その型についてご説明させていただければと思います。

ただし型はあくまでも基本的な手法であるため

守破離(型を守り、型を破り、型から離れ自分だけの方法を見つける)

の精神で、発展していくことが大事かと思います。

問題解決の手法

問題を解決する為には、4つのプロセスが必要になります。

問題解決の4つのプロセス

①何が問題かを明確にし、課題を設定する。(設定)
②課題を達成する為、何を解決・改善すべきか特定する。(特定)
③特定したものに対し、なぜ?を繰り返し深堀する。(深堀)
④なぜ?の繰り返しで見えた、原因の対策を考える。(対策)

仕事を行っている方に限らず、日常生活をしていくうえでも、少なからず問題には直面することがあるはずです。

例えば、「夜寝るとき寒い」という問題があったとすると(後に説明しますが、この時のあるべき姿は、「室を温かい状態にすること」にします。)

  1. 室を温かい状態にする(設定)
  2. 室自体が寒い(特定)
  3. 窓から冷気が入るから、室が寒くなる。(深堀)
  4. エアコンをつける。窓に断熱シートを張る。(対策)

この程度であればおそらくプロセスを使用しなくても、対策まで導けるかと思いますが、仕事となるともう少し複雑ですよね。

それでは、ビジネスシーンで問題解決の為のプロセスをどのように使用すれば良いか、例を挙げて説明させていただければと思います。

最初に言っておきますが、プロセスを使用すれば、問題解決はできるかと思いますが、答えは1つではありません。

特に①設定のフェーズで、何に重きをおいているかで、答えは全く違ったものになるかと思います。

①何が問題か明確にし、課題を設定する(設定)

唐突ですが、皆様問題の言葉の定義をご存知ですか。

私は27歳頃まで知りませんでした。

問題:あるべき姿と現在の姿のギャップ

と定義することができるとのことです。

なので、問題を明確にすると言うことは、あるべき姿をまず考えることになります。

それでは、ここで設備施工社員を題材にして、一例を挙げて問題を解決したいと思います。

【設備施工社員が直面する一例】:

会社は新築マンション工事を受注しました。あなたはそこの工事の設備施工担当です。設備工事としての利益(発注者からもらうお金−設備工事で使うお金)の見込みは−10億円です。会社からなんとか利益をプラスにするように指示されています。さてあなたはどう解決しますか?

さて、この例では問題は何かはすぐにわかりますよね。

問題:利益をプラスにするため(あるべき姿)、現在利益が10億円足りない。(現在)

ですね。現在時点で10億円足りないのです。これを課題にしましょう。

設定:利益が10億円不足している

ここで、少しあれって思った方は、良い感性かと思います。課題として設定する為に、利益を10億円稼げば良いのか、それ以上稼げばいいのか、わからないですよね。

そう思ったら、こうしましょう!

対外向けには最小限の目標で公表し(今回で言えば10億円)、自分の腹の中では12億円くらいを目標にしておくことが良いかと思います。

ただし、事前に10億円は達成するビジョンは見えておかないといけません。そのビジョンが見えないのであれば、先に会社に対し、「10億円は稼げません。なぜなら…」と説明しておかないと、こっ酷く叱られます。「先になんで言わないんだ」よく若手の時に言われました。

②課題を達成する為、何を解決・改善すべきか特定する(特定)

設定を「利益が10億円不足している」にしました。

それでは何を解決・改善すれば利益を10億円稼ぐことができるのか、特定しましょう。

特定する為のやり方はこうです。

まずは設備工事を因数分解しましょう。

設備工事は、衛生工事、空調工事、電気工事、昇降機工事に分けられます。

ではその因数分解したものに対し、それぞれ利益がどの程度なのか、表を作ってみましょう。(どの工事も売上は同金額とします。)

いかがですか。空調工事の利益が相当のマイナスの見込みであることがわかりました。これを今回特定することができました。

特定:空調工事の利益が相当のマイナスの見込みであること

逆に衛生工事と電気工事は利益がプラスになっていますね。ここにメスを入れてもあまり効果はなさそうですね。

このように、分解をすることで、どこに解決・改善すべきところがあるか特定できるようになります。

それでは次のフェーズに移ります。

③特定したものに対し、なぜ?を繰り返し深堀する。(深堀)

特定を「空調工事の利益が相当のマイナスの見込みであること」としました。

この次は、その特定したものに対し、なぜを繰り返しましょう。

ここでなぜを繰り返す前に、先ほどと同様に、まずは利益を分解してみましょう。

利益=売上−原価−作業諸経費

いかがですか。分解したワードの中に、マイナスを作っている原因がありそうですね。深堀していきましょう。

先ほど特定した「空調工事の利益が相当のマイナスの見込みであること」に対し、なぜ「なぜマイナスの見込みになるのか」を問いかけましょう。その最初の問いかけに関しては、必ず分解したワードを使用し、回答をしてあげましょう。

その理由は、方向性をブレさせないためです。

最初から道を外してしまうと、あらぬ方向に行ってしまい、収拾がつかなくなるからです。

今回このケースでは、深堀した結果「競合他社から相見積もりを取っていない」ことが原因として捉えたいと思います。

深堀:競合他社から相見積りを取っていない

その理由は、一番左の「見積数量をチェックする体制がない」が原因として捉えても、今回の新築マンションの工事で利益を10億円捻出することができません。かといって、一番右の「こうすべき、との決まりがない」を原因として捉えても、とても10億円には届かない数字なのは一目瞭然ですよね。

④なぜ?の繰り返しで見えた、原因の対策を考える(対策)

深堀して「競合他社から相見積もりを取っていない」ことを原因としました。

それではこの原因に関して、対策を考えましょう。

簡単ですが、上記に対策を記載しました。本来であれば、対策に対し評価をして、「この3つが対策として考えられます。コスト・確実性・スピードなどで評価した結果○○が一番対策として良いかと考えます」と言えればベストですよね。今回は、どれがよいか火を見るよりも明らかなので省略します。

10億円との大金になると、自分(個人)で動くのは危険ですよね。

やはり組織として動いてもらい、かつ価格交渉をするのに専門的な部署が適切ですよね。

よって今回の問題解決には、「資材部に相見積りを取ってもらう」が対策として導かれました。

対策:資材部に相見積りを取ってもらう。

いかがでしたか?少し経験のある方であれば、こんな結論当たり前だろ、と思うかもしれません。ただ、このようにロジカルに物事を考えていれば、人に説明をするときに、「こういう目的があって、それを達成する為に、この部分を特定したところ、こういう原因があったから、そちらの部署で相見積もりを取ってください」といえば、説得力が増すとは思いませんか?

補足:PDCAサイクル内の位置付け

PDCAサイクルはご存知でしょうか。

ビジネスマンであれば、よく聞きますよね。

PDCAサイクルとは、簡単に言うと

PLAN(計画)→DO(実行)→CHECK(確認)→ACTION(改善)→PLAN…を繰り返していき、プライラルアップしましょうということです。

今回ご紹介した問題解決手法は、PLANに該当します。従って一番重要な所になるので、ここを間違えると大変なことになりますね。

よってきちんとした型を使用し、ロジカルに問題解決をしていくのは、かなり重要なことかと思います。

まとめ

今まで、問題が発生したら、自分のヒラメキと経験・知識で対応していませんでしたか。

それも良いかと思います。特に、ゼネコン設備社員であれば、対策を考えるまでの時間が短い方がよいケースがあります。

ただ、要所では型を使用した方がよいケースもあります。発注者のニーズを正確にとらえ、よい建物を建設する為に、この型を使用し、適切に問題解決をした方が、後々のクレームが少ない建物が建設できるはずです。

そのような建物を建設できた方が、発注者も喜びますし、会社としてもクレーム対応費等の余計なコストを使わずに済みます。

皆様も問題解決の型を使用してみてはいかがでしょうか?

長い記事でしたが、ここまでお読み頂き誠にありがとうございました。