【徹底解説】ゼネコンの建築施工担当と設備施工担当の違い

こんにちは!ハマカナです。

別記事において、ゼネコン現場担当に適性な性格とは、について解説をさせて頂きました。自分を客観的にとらえられるエゴグラム診断のやり方も記載していますので、一読して頂けると幸いです。

この記事において、ゼネコン現場担当が自分に合うか合わないかおおよその判断が付こうかと思います。

もしゼネコン現場担当が自分に適合した場合、次の選択肢としては、以下の通りとなります。

  1. 建築施工担当
  2. 設備施工担当

簡単に違いを記載すると以下の通りとなります。

  主な担当 給与 昇進 募集割合 兼務率
建築施工担当 躯体、内外装、外構 差はない 少し有利 9割 少ない
設備施工担当 照明、空調、水 差はない 少し不利 1割 多い

詳細は下記にて記載しますが、【建築施工担当】は主に建物の見える部分を担当し、【設備施工担当】は主に建物の見えない部分を担当します。よって花形は建築施工担当で、縁の下の力持ちが設備施工担当というイメージです。

ただし、最近では【設備】の重要性というものが重視される傾向となりますので、設備が花形になることももちろんあります。

そんな違いのある、建築施工担当と設備施工担当の違いについて私のゼネコンで働いた経験から解説をさせて頂ければと思います。

ゼネコンの建築施工担当と設備施工担当の違い

上の表で簡単に違いを記載しましたので、その中身について詳細を記載致します。

主な担当

ここで解説するのは、建物を創る際に、建物のどの部分を主に担当するかというポイントになります。建物は非常に多くパーツから成り立っていて、なおかつ一定の品質やコスト、工期の中で完成させる必要があります。これを一人で実施するのは、不可能です。担当を分けて、それぞれで力を発揮してもらい、絡みのある部分は調整をしながら、一つの大きな目標を達成させることが必要です。その担当をする内容が、建築施工担当と設備施工担当とで異なる為、その内容を説明させて頂きます。

建築施工担当

建物のフレームである、床・壁・柱の躯体工事を担当します。躯体については、大きく3つに分かれており、下記の通りとなります。ゼネコンということで【木造】は省きました。

  • RC(Reinforced Concrete)造:コンクリートの躯体
  • S(steel)造:鉄骨の躯体
  • SRC造:コンクリートと鉄骨を合わせた躯体

簡単に上記3つ種類に関して、フレームのメインである主要構造部が何の材質で構成されているか図で示します。

建築施工担当は、主にこの躯体を担当することがメインのお仕事となります。またその他に、建物の見た目である建物表面の仕上げや、建物内部の仕上げ(床のタイルカーペットや壁のクロスや天井などなど)、外構の植栽や整地・仕上げなども担当します。

簡単に言うと、主に皆様の見につくもの全てを担当することになります。

設備施工担当

主に建物の見えない部分の担当になりますが、皆様の良く目につくところで設備施工担当の仕事があります。

それは、天井についている照明や空調機や、便所の洗面器・小便器・大便器です。これは設備施工担当が管理する仕事になります。ただし、良く目につくところは、設計者の気持ちが強い為、照明器具や空調機、その他器具類についてはこれを使いなさいとの指定が多く、設備施工担当はそれを【きちんと取り付け、うまく稼働することができるか】を管理します。

その他は主に建物の見えない部分を担当する事になります。ただし、非常に重要な部分となります。

皆様が日中、建物内で気持ちよく過ごすために、温湿度を調整できているのは、設備施工担当のおかげです。皆様が便所で、当たり前のように水がつかるのも、設備施工担当のおかげです。皆様がパソコンやスマホなどを、充電することができるように電気を常備できているのも設備施工担当のおかげです。

正直、設備施工担当がいなければ、皆様が使用している建物は、ただの箱と化すでしょう。それほど重要なものを担当しています。

給与

同じ時間働き、同じ年齢・階級であれば、建築施工担当と設備施工担当では差はありません(某スーパーゼネコンでは)。周りのゼネコン担当にも聞くと、差が無い事がほとんどです。

この後説明しますが、昇進については建築施工担当の方が多少有利なので、その点では建築施工担当の方が少し有利かもしれません。

ただし昇進も40歳くらいまでは同じスピードです。40歳くらいまでいけば、年収1000万は突破すると思いますので、それ以降で給与が変わっても喜びとしては、それほど高くはないかと思います。(お金はもらえることに越したことはありませんが。)

昇進

40歳前後で就任する課長までは、ほぼ同様の昇進スピードかと思います。

ただ、課長以降の部長、本部長、社長等への昇進については、一般的に建築施工担当の方が有利に進めることが多いです。

もちろん設備施工担当が部長、本部長、社長になれないことはありませんが、かなりの狭き門です。

その点、慣例的にあることなので、もしこれから就活をしようとしている人は、考慮して頂くと良いかと思います。

募集割合

募集割合は圧倒的に違います。

入社年度にもよりますが、建築施工担当が200人入社をしたら、設備施工担当は20人程度です。約10分の1程度です。

その点では、まずは入社から狭き門をくぐり抜けた精鋭集団と認識しましょう。よく、設備施工社員は優秀な人が多いと言われますが、募集人数でかなり絞られる為、ふるいの目が細かく、優秀な人が残る算段なのでしょうか。

兼務率

兼務率は圧倒的に設備施工社員が高いです。

私は全盛期で、8件の新築建物を兼務したことがあります。建築施工担当は、新築建物であれば、基本は1件だけを担当します。

なぜ設備施工担当はこれほどまでに兼務率が高いのでしょうか。なぜ建築施工担当は兼務率が低いのでしょうか。

理由は簡単です。設備施工担当の部隊にはサブコンという優秀な部隊がいるからです。サブコンとはゼネコン社員と同等以上の力を持っています。

サブコンは、キングダムでいう飛信隊の羌瘣(きょうかい)のような立場です。自分で考えて戦力を打開するような頭脳と力を持っていますが、きちんと信や河了貂(かりょうてん)がコントロールしないと、羌瘣だけでは周りが見えないことがあり、危険な立場になってしまうことがあります。もちろん羌瘣にお任せでも、うまくいってしまうことがあります。

正直な話、サブコンにお任せでも現場はうまくいってしまうことがあります。ただそれは見せかけです。うまくいっているように見えて、数年後【水が出ない】とか【機器が動かない】などのクレームが発生する可能性があります。やはり知識や経験を活かしうまくコントロールしてあげられる、設備施工担当は重要な立場かと思います。

おまけ(ゼネコンへ就活を考えている方へ)

ゼネコンの就活では、WEBテスト(ない会社もありますが)などの関門を突破した後、リクルーターとの面談が第1ステップとなります。

リクルーターとは、主に皆様が所属している大学の先輩にあたる方で、もちろん皆様が希望している会社に属している方です。

会社としての建前は、【リクルーターと気兼ねなく話をしてね】と言いますが、ある意味そこから面接は始まっています。というより、一番ウェイトの重い面接かと思います。

リクルーターに気に入れられてしまえば、途中のテストもある程度の点数を取れば、最終面接まで容易に行けてしまうのです。

リクルーターは本当に重要な面談なので、心して掛かるようにしましょう。おすすめは、希望する会社のことは調べて、最低限の知識があることが前提ですが、明るくはきはきと積極的に質問をしましょう。それだけでかなり好印象が残ると思います。

まとめ

少しは違いについて説明できたでしょうか。

違いを認識し、将来的な意向も含め、どちらが自分に合うか判断して頂ける記事になれば幸いに思います。

長い記事でしたが、ここまでお読み頂き誠にありがとうございました。このほかにも、ゼネコンや設備施工、ゴルフに関する記事もございますので、ぜひご覧いただけると幸いです。