こんにちは!ハマカナです。
石綿(アスベスト)については、ゼネコンの現場担当であればよくご存じであろうかと思います。
簡単に概要を説明すると、石綿とはレベル1、2、3に分かれており、レベル1ほど飛散性が高く、レベル3ほど飛散性が低い石綿含有の材料を示します。
レベル1は主に吹付け材として使われる材料を示すことがほとんどで、レベル3は成形板として使われる材料を示すことがほとんどです。
以下簡単にまとめた表となります。
作業レベル | 建材の種類 | 発じん性 | 飛散の定義 |
---|---|---|---|
レベル1 | 吹付け材 | 非常に高い | 飛散性 |
レベル2 | 保温材、耐火被覆材 | 高い | 非飛散性 |
レベル3 | 成形板等 | 比較的低い | 非飛散性 |
石綿はサイレントキラーでもあり、一度石綿を吸い込んでしまうと、体内に蓄積され続けます。蓄積され一定量以上になると、アスベストによる中皮種が発症してしまいます。これが吸い込んでから長い年月をかけてから発症することがある為、サイレントキラーと呼ばれております。(実際アスベストに関する工事を実施すると、その作業記録などは40年保存と義務付けられているほどです。)
そんな危険なアスベストは、実は皆さんの身近な建物にも使用されていることが多いです。今から約20~30年以前に建てられた建物については、どこかしらに使われていると考えて良いでしょう。
もちろん通常に建物を使用していれば、飛散することはないのですが、やはり建物ですから、劣化・風化は起きるものです。また日中太陽で浴びた建物が、夜間で冷えるように、1日単位でも建物は熱による伸縮を行っているため、ひび割れなどが発生しています。そのひび割れ部がアスベストを使用している材料であれば、当然飛散するリスクはあります。
そのようなアスベストを使用した建物を改修作業する時に、飛散するリスクは0にしなくてはなりません。
飛散しないようにする対策として、法律ではその作業方法や廃棄方法などを定めております。以下参考法令です。
- 建築基準法⇒石綿の使用を規制する法律
- 建設リサイクル法(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)⇒廃棄物の適正処理の基準が記載
- 労働安全衛生法⇒アスベスト除去の作業方法の基準が記載
- 大気汚染防止法⇒アスベスト除去作業について一定基準以上で届出をさせ、飛散を防止させることを目的としている法律
- 廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)⇒アスベストの処理方法の基準が記載
- 宅地建物取引業法⇒アスベストの使用のある建物について重要事項説明として購入者等に説明する規定が記載
- 住宅の品質確保の促進等に関する法律⇒住宅性能表示制度におてアスベスト含有建材の有無等などを規定
以上のような多くの法律がありますが、アスベスト除去作業は今現在は「人」が実施するものですから、飛散するかしないかは法律も重要ですが、結局は実施する人が重要になります。
今回ご紹介する工法というものは、人による作業であれど、確実な飛散防止対策を行うことができ、かつ省コストになりうる工法となります。
その工法をお持ちである会社は
株式会社球建設
さんです。それでは工法についてご紹介させて頂きたいと思います。
石綿を効率的に除去できるSKK工法とは
先ほども記載しましたが、石綿は非常の危険な材料です。その石綿を効率的に除去できるSKK工法についてご説明させて頂きます。除去対象については、主にレベル1の吹付材を対象にしています。(もちろんレベル2,3でも使用することは可能です)
SKK工法の概要
従来は石綿を除去する時は、室単位で隔離しますが、SKK工法はアスベスト除去部分のみを隔離します。
簡単に図にしましたので、こちらをご覧ください。
上図のように、アスベスト除去対象区域(図の緑色の部分)を遮へい膜で部分隔離し、排気除じん機でその内部を負圧にすることで、暴露を無くした工法です。アスベストが発生する作業空間に入らないで作業をすることができます。
通常の室全体を隔離する工法と比べて以下の点で優れていると言えます。
- 経済性に優れる
- 工期が短くなる
- アスベスト除去工事における影響範囲を小さくできる
順に説明させて頂ければと思います。
経済性に優れる
養生の絶対量が少なり、かつ着替えも不要になります。また工期が短くなることによるコストダウンも図ることができます。
経済性は非常に重要な要素かと思います。コストダウンを考えているのであれば、ぜひ採用の検討をしてみるのも良いかと思います。
工期が短くなる
養生の絶対量が少なくなりますので、単純に工期が短くなります。また細かい部分ですが、着替える必要がないので、その手間もなくなり工期短縮に寄与します。
通常使用している室であれば、工事期間は短くし、早く室を使いたいと思うのが、常だと思います。その工事期間を短くできる工法となっております。
アスベスト除去工事における影響範囲を小さくできる
アスベストを除去する範囲のみ隔離する工法になる為、例えばアスベスト除去範囲の下にある机や椅子などは、念の為の簡易な養生をしておけばその場所に置いたまま施工をすることができます。
通常の室全体を隔離する工法ですと、机や椅子などは一時撤去をする必要があります。かなり手間です。この手間がSKK工法ではなくなります。
また室全体を隔離する工法ですと、どこからか漏れてしまわないか、入念なチェックが必要になりますが、SKK工法ですと、アスベスト除去範囲のみチェックをすればよいので、余計な心配をしなくて済みます。
以上の通り、アスベスト除去工事における影響範囲を小さくできることによって、多くのメリットが発生することになります。
まとめ
私は非常に革命的な技術だと思いました。
ゼネコンに限らず、新製品というものはどのようなリスクがあるか不明で、使いづらいというのが現実的にあるかと思います。
また今回紹介した工法も、実際の現場状況によっては使いづらく採用は難しいとの判断になる可能性があります。しかし、候補としてピックアップできる状況にしておくことで、必ずメリットがある工法かと思っております。
ここまでお読み頂き誠にありがとうございました。また新製品などの情報がありましたらご紹介できればと思っております。